マット・デイモン(スティーヴ・バトラー/製作・脚本)
幼なじみの親友ベン・アフレックと共同で脚本を執筆し、主演もつとめた『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(97)でアカデミー賞の脚本賞と主演男優賞にノミネート。前者を受賞し、一躍世界の注目を集めた。その後、ゴールデン・グローブ賞候補になった『リプリー』(99)や、『プライベート・ライアン』(98)などに出演し、スター街道を躍進。オール・スター・キャストの『オーシャンズ11』(01)シリーズと、本格スパイ・アクション『ボーン・アイデンティティー』(02)シリーズを大ヒットさせ、ハリウッドのトップ・スターの座を不動のものにした。09年には、『インビクタス/負けざる者たち』でアカデミー賞の助演男優賞にノミネート。同作と『インフォーマント!』(09)でゴールデン・グローブ賞にノミネートされた。また、『恋するリベラーチェ』(13)では英アカデミー賞にノミネートされた。ベン・アフレックをパートナーに立ち上げたパール・ストリート・フィルムズなどを通じて、映画を含む様々なメディアの企画開発や製作も積極的に行っている。ジョン・クラシンスキー(ダスティン・ノーブル/製作・脚本)
全米で大人気を博したドラマ・シリーズ「ザ・オフィス」のレギュラーとして、2007年と2008年の俳優組合賞のコメディシリーズ・アンサンブル賞を受賞した。映画デビューは2002年。以降、『愛についてのキンゼイ・レポート』(04)、『ドリームガールズ』(06)、『ライセンス・トゥ・ウェディング』(07)、『恋するベーカリー』(09)、『だれもがクジラを愛してる。』(12)などに出演。アニメの『シュレック3』(07)、『モンスターズ・ユニバーシティ』(13)、アメリカ版『風立ちぬ』(13)ではヴォイス・キャストを務めた。また、2009年には、デヴィッド・フォスター・ウォレスの短編を映画化した『Brief Interviews with Hideous Men』で脚本&監督デビューを飾った。フランシス・マクドーマンド(スー・トマソン)
コーエン兄弟の『ブラッド・シンプル』(84)で映画デビューし、アラン・パーカー監督の『ミシシッピー・バーニング』(88)でアカデミー賞の助演女優賞にノミネート。以降、存在感のある演技派女優として活躍を続け、『ファーゴ』(96)でオスカー女優の仲間入りを果たした。アカデミー賞は、『あの頃ペニー・レインと』(00)と『スタンドアップ』(05)でも助演女優賞にノミネートされている。近年の主な出演作に『恋愛適齢期』(03)、『イーオン・フラックス』(05)、『バーン・アフター・リーディング』(08)、『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』(11)、『ムーンライズ・キングダム』(12)などがある。ローズマリー・デウィット(アリス)
ジョナサン・デミ監督の『レイチェルの結婚』(08)でタイトルロールのレイチェルを演じ、サテライト賞、トロント映画批評家協会賞など数々の助演女優賞を受賞した。また、エミリー・ブラントと共演した『ラブ・トライアングル』(11・未)でゴッサム賞を受賞し、インディペンデント・スピリット賞の助演女優賞にもノミネートされた。その他の出演作に、『シンデレラマン』(05)、『カンパニー・メン』(10)、『私だけのハッピー・エンディング』(11)などがある。ハル・ホルブルック(フランク・イェーツ)
1966年に『グループ』で映画デビュー。以来、半世紀近いキャリアの中で120本を超える映画・TVに出演してきた。主な出演作は、『ダーティハリー2』(73)、『大統領の陰謀』(76)、『カプリコン・1』(77)、『ジュリア』(77)、『ザ・フォッグ』(80)、『ウォール街』(87)、『ザ・ファーム/法律事務所』(93)、『ザ・ダイバー』(00)、『マジェスティック』(01)、『恋人たちのパレード』(11)、『リンカーン』(12)など。2007年には、ショーン・ペン監督の『イントゥ・ザ・ワイルド』でアカデミー賞をはじめとする数々の助演男優賞にノミネートされた。ガス・ヴァン・サント(監督・製作総指揮)
米ケンタッキー州ルイビルの出身。絵画と映画を学んだ後、CM製作を経て『マラノーチェ』(85)で映画デビュー。『ドラッグストア・カウボーイ』(89)でNY映画批評家協会賞の脚本賞、LA批評家協会賞の脚本賞、全米映画批評家協会賞の脚本賞と監督賞などを受賞し、気鋭の映画作家として注目を集めた。その後はハリウッドの若手スターを主演に迎え、『マイ・プライベート・アイダホ』(91)、『カウガール・ブルース』(93)、『誘う女』(95)を発表。マット・デイモン&ベン・アフレックの脚本をデイモンの主演で映画化した『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(97)でアカデミー賞の監督賞にノミネートされた。同賞には、ハーヴィー・ミルクの半生を描いた『ミルク』(08)でもノミネート。また、コロンバイン高校の銃乱射事件を題材にした『エレファント』(03)では、カンヌ国際映画祭のパルム・ドールと監督賞を受賞した。その他の監督作は、『ラストデイズ』(05)、『パリ、ジュテーム』(06/オムニバス)、『パラノイドパーク』(07)、『永遠の僕たち』(11)など。デイモン「ジョンは非常に頭の回転が速い。僕たちは一緒によく笑い、執筆作業はどんどん進んだ。ベン・アフレックとの共同作業を思い起こさせたよ。あの時とすごく似た感覚で、何より楽しかったね。あんなに楽しいものだということを、長い間忘れていたよ」
クラシンスキー「マットが『幸せへのキセキ』を撮影している間も、僕らは週末ごとに会ったんだ。土曜日も日曜日も、彼の子供やお互いの妻たちがいるところで、一日中、執筆作業に費やした」
デイモン「平日は、ジョンも僕もそれぞれの仕事に戻り、休憩時間に書きなぐったメモやアイデアを読みふけった。そして、週末になると再び会って何度も何度も書き直しを重ねていった」
クラシンスキー「これは現在、アメリカの多くのコミュニティを分断している複雑な問題なんだよ。シェールガスの採掘というのは、現代アメリカのアイデンティティを問うストーリーの背景としてふさわしい問題だった。これは、得るものも失うものも、両方がとてつもなく大きい賭けだからね」
デイモンとクラシンスキーの脚本は、シェールガスの採掘について賛否両方の立場から描き、いくつかの問題点を指摘している。しかしその是非を問うものではなく、中立を保っている。
ヴァン・サント「あの朝マットが連絡してくる前から、脚本には興味を持っていた。彼がなんらかのプロジェクトに取り組んでいることは知っていた。彼から連絡をもらって、手を貸そうと思ったんだ」
デイモン「飛行機が離陸する前に彼にメールで脚本を送り、携帯の電源を切った。数時間後に着陸した時には、すでに監督をしたいという、ガスからの返信が入っていたんだ。僕はすぐさまジョンに『監督が見つかった。ただの監督じゃない。最高の監督だ』と知らせた」
ヴァン・サント「脚本を読みながら、これまでマットが書いた脚本との類似点に気づいた。彼とジョンとの共同作業がとてもうまくいっているのだと感じたよ。『イエス』と言うのに迷いはなかった」