INTRO
ベン・アフレックと共同で執筆した『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(97)の脚本でアカデミー賞®を受賞し、俳優としてもスターの階段を駆け上がることになったマット・デイモン。同じく『グッド・ウィル・ハンティング』でアカデミー賞監督賞候補になり、『エレファント』(03)や『ミルク』(08)
など数々の名作を生み出してきたガス・ヴァン・サント。
この17年、アメリカ映画界を牽引してきた2人が、脚本家兼主演と監督として三度目のタッグを組み、世界をあっと言わせる問題作を作り上げた。
アメリカでナショナル・ボード・オブ・レビューの表現の自由賞、ヨーロッパでベルリン国際映画祭のスペシャルメンションに輝いた本作は、社会派のテーマに裏打ちされたヒューマンドラマ。出世コースをまっしぐらに歩んできた主人公スティーヴが、仕事への信念を揺るがす出来事に遭遇したことをきっかけに、人生にとって大切なものは何かを見つめ直し、新たな生き方を模索していく姿を、アメリカがいま直面しているエネルギー問題を背景に描いた、心揺さぶる感動作だ。
スティーヴ役のマット・デイモンは、同じく出演のジョン・クラシンスキーと共同で脚本を執筆。それを、デイモンは自身の手で監督するつもりだったが、スケジュールの都合で断念せざるをえなくなり、盟友のガス・ヴァン・サントに助けを求めた。脚本を読んだヴァン・サントはすぐに快諾。こうして映画化が実現した本作は、奇しくも『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』と同じ製作過程をたどることになった。
キャストには『ファーゴ』のオスカー女優フランシス・マクドーマンド、『イントゥ・ザ・ワイルド』でアカデミー賞候補になったハル・ホルブルックら実力派がそろった。